建物の特色
周辺環境との調和
県の公文書館としての文化性、たたずまいを配慮し外壁に御影石・タイルなどの自然素材を用いた他、1ヘクタールの森林に散策路を整備するなど、周辺環境との調和を図りました。
また、閉鎖的印象を持たれがちな窓のない書庫部分の外壁にデザイン上の工夫をし、県民に開かれた公文書館のイメージを表現しました。
資料保存のための安全確保
資料保存の安全性を第一に考え、書庫がある高層棟の屋根を二重防水としています。
また、敷地の地形上、建物の2階までが裏地の斜面に面するので、湧水、結露等を考慮し、建物外周にドライエリアを設けました。
一方、設備面において、書庫は恒温恒湿を保つため、二重壁とし、温度は22度から25度、湿度は55%程度を保つために専用の空調機械を設けた他、書庫内の資料の劣化を防ぐため、紫外線をカットする照明器具を使用しています。
館の概要
1階見取図
2階見取図
敷地面積 | 17,071平方メートル |
延床面積 | 9,956平方メートル |
書庫面積 | 3,189平方メートル |
収容能力 | 約105万冊・点 |
構造・規模 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造り、地下1階・地上4階建て |
駐車場 | 35台駐車可能 |
設備 | 書庫内の温度は22から25度、湿度は55%程度を保つために専用の空調機械を設けています |
閲覧室
面積 |
636平方メートル 大型資料閲覧室:44平方メートル、検索コーナー:47平方メートル、受付:35平方メートル |
席数 | 49席 |
設備 |
マイクロフィルムリーダープリンタ3台 資料検索用端末機(パソコン)5台 視聴覚コーナー機器設置(テレビ、ビデオデッキ) |
資料検索手段 |
資料検索用端末を直接操作しての検索 各種冊子目録(所蔵目録、所在目録) 各種カード目録 |
主な開架資料 |
閲覧室には参考図書、行政刊行物を中心として、約2万冊の資料が開架されています。主な資料は以下の通りです。 マイクロフィルム版横浜貿易新報/神奈川新聞 歴史関係参考図書 神奈川県史資料・県内市町村史 官報 公報(神奈川県公報、横浜市報、川崎市公報、横須賀市報) 議会議事録(県議会議事録、横浜市議会会議録、川崎市議会会議録、横須賀市議会会議録、県内各市議会会議録) 行政刊行物 雑誌類 地図 新聞 |
展示室
当館1階の展示室では、公文書や古文書等の歴史資料を後世に伝えることの重要性を県民の方々に広く理解していただくために収蔵資料の展示を行っています。
当館の展示は、以下のような種類があります。
特別展示
開館時、周年記念などの記念事業として実施されるもので、平成30年度には、開館25周年記念特別展示を実施しました。
企画展示
特定のテーマに基づいて、館収蔵の資料を活用して実施しています。
以上の他、ガラスケース1台分の「ミニ展示」を実施することもあります。
展示は全て無料です。
現在行われている展示についてはこちら
書庫
3号書庫
歴史的公文書、神奈川県史編纂のために収集された資料を移動式書架に収蔵しています。震災や戦災をまぬがれた戦前期の公文書(議会関係文書・郡役所文書)や、占領期の昭和20年代から最近までの簿冊文書を保管しています。
5号書庫
当館には7つの書庫がありますが、この5号書庫の内部には全て木材が張り巡らされています。壁や天井・棚は栂(ツガ)の木、床材には堅いブナの木が使用され、壁面の二方向には、大型古文書等を収蔵する特注の桐たんす・桐の引き出しを配置しています。これは、機械的に行われる書庫内の24時間空調、温度22から25度、湿度55パーセントの設定や紫外線カット照明の使用などと合わせて、木材の持っている特性も利用し、収蔵資料の保存にやさしい環境をつくり、カビや虫の害を防ぐための配慮から考えられたものです。
中世文書(後北条関係文書他)、幕末維新期に活躍した西郷隆盛・坂本龍馬らの書簡(山口コレクション)、県域の各地から寄託された近世古文書が収められています。
諸設備
バリアフリー関係
当館1階に車いすを用意しているほか、どなたでも利用できるオストメイト対応トイレがあります。
館内休憩スペース
1階には飲食等ができる休憩スペースがあり、自動販売機も設置しています。