陸前高田市役所の公文書レスキューをスタート

平成23年10月1日から作業スタート

県立公文書館は、東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の公文書のレスキュー作業を、10月1日から開始いたしました。

陸前高田市役所では、4階建て庁舎の4階付近にまで津波が押し寄せたため、事務室内で常時使用していた文書のほとんどが流され、別棟の書庫内の文書も泥水を被った状態になりました。

陸前高田市役所内の様子

【陸前高田市役所内部の様子 10月19日撮影】

公文書は自治体が業務を継続するには重要な手段であり、被災地域にとっては今後の復旧、復興に不可欠な情報を保有するものです。職員自身も被災する中、仮庁舎の市役所では復興に向けた懸命の作業が続けられておりますが、膨大な公文書の修復は人手がかかるため、市長の要請を受けて作業の一端をお手伝いさせていただくことにしました。

修復作業は被災文書を当館に運んでから、原則として「金属類の除却」→「乾燥」→「ドライクリーニング」→「破損修復」→「表紙交換」の順に実施され、カビが発生した文書にはカビを除去する処置を行っています。

修復作業の様子の画像1修復作業の様子の画像2

【修復作業の様子 公文書館内 10月27日撮影】

修復作業は、緊急雇用基金を活用して新たに採用したスタッフ12名が、公文書館職員と連携しながら行っています。修復は、行政事務を執行する際に実際に使用できるようにすることを目標に行われています。この修復作業は、平成24年3月まで継続します。
なお、「安全・安心」を担保するため、被災文書の放射線量を陸前高田市と公文書館で2回計測しました。調査方法は、公文書本体とバックグラウンド(周辺環境)の双方を計測する方法で行いましたが、2回の計測とも文書本体と周辺環境の間に、数値の差は認められず問題はありませんでした。