(令和2年4月1日施行)

神奈川県立公文書館公文書等選別基準(平成5年神奈川県告示第929号)の3に規定する区分により、次のとおり歴史資料として重要な公文書等を、選別して収集する。

なお、本細目基準は、随時適切な見直しを行っていくものとする。

1.条例、規則、訓令、通達等の例規に関する公文書等

  1. 条例、規則、告示、公告及び訓令の制定及び改正にかかわる一連の公文書等は、本庁の当該文書等に係る事務を分掌する室及び課(以下「主務課」という。)のもののみ収集する。

    また、知事の署名がなされた条例及び規則の原本は収集する。

  2. 条例、規則、告示等を登載している神奈川県公報は、公文書館用に配付されたもののみ収集する。

  3. 県行政や県民生活に顕著な効果又は影響を与えた要綱、要領等の制定及び大きな改正にかかわる公文書等は、当該文書等に係る事務を分掌する本庁の室及び課並びに出先機関又はその課(以下「主務課等」という。)のものを収集する。

  4. 条例、規則及び通達等を集めた例規は、主務課等のものを収集し、通知を受けた各機関で編んだ例規は、収集しない。

2.県の各種制度及び行政組織の新設及び改廃に関する公文書等

  1. 県民生活にかかわる県の制度や県行政の内部制度の新設及び改廃に関する公文書等は、主務課のものを収集する。

  2. 県及び県の関係する行政組織の新設及び改廃に関する公文書等は、主務課のものを収集する(行政機関及び附属機関の設置条例、行政組織規則など)。

3.市町村の廃置分合等に関する公文書等

  1. 次のものはすべて収集する。
    ア 廃置分合に係る当該市町村、県及び国の各団体相互間の協議等に係る公文書等
    イ 当該市町村における廃置分合についての審議会等の附属機関における諮問及び答申に係る公文書等
    ウ 当該市町村における廃置分合についての議会(県、市町村)における議決に係る公文書等
    エ 当該市町村における廃置分合の実施等に係る住民等からの請願書、陳情書及び要望書等

  2. 次のものは、主要な部分について収集する。
    ア 廃置分合計画策定に係る各種の調査結果
    イ 廃置分合計画策定に係る事前の調整等に関する公文書等
    ウ 廃置分合計画策定に係る各種研究の成果

4.地方自治制度に関する公文書等

  1. 地方自治法関係

    地方自治の基本的事項や組織、運営等を定めた地方自治法及び同施行令の一部改正に関する公文書等は、主務課のものを収集する。

  2. 1を除く制度全般

    公務員関係、財政運営、選挙関係、公営企業関係等の制度に関するものは、各主務課のものを収集する。

5.選挙に関する公文書等

  1. 県内で行われた衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関する公文書等は、収集する。

    ただし、県及び市町村の選挙管理委員会から出される選挙結果調又は記録に係る刊行物と重複するものは、収集しない。

    また、神奈川海区漁業調整委員会の委員並びに県内で行われた農業委員会委員及び土地改良区の役員の選挙に関する公文書等については、収集する。県内市町村の財産区の選挙報告についても収集する。

  2. 県内で行われた最高裁判所裁判官国民審査に関する公文書等は、収集する。ただし、県及び市町村の選挙管理委員会から出される結果調又は記録に係る刊行物と重複するものは、収集しない。

  3. 県に対する地方自治法上の選挙に係る直接請求についての公文書等は、収集する(議会の解散並びに長及び議員の解職についての請求等)。

6.事務引継書

  1. 知事、副知事、教育長及び公営企業管理者等の事務引継書は、すべて収集する。
  2. 神奈川県職員服務規程に定める事務引継書は、本庁にあっては課長以上、出先機関にあっては所属長のものを収集する。

  3. 神奈川県財務規則に定める出納職員の事務引継書は、収集しない。

7.議会、各種委員会、審議会、主要会議等の審議経過及び結果に関する公文書等

  1. 県議会(本会議、委員会等)

    原則としてすべて収集する(時限的な運営方法の決定等の軽易な内容のものを除く。)。ただし、県議会の招集及び議案等の発議に関するものについては、主務課の作成した公文書等を主として収集する。

  2. 法律又は条例の定めるところにより設置された審議会、協議会、審査会等

    正規の開催分をすべて収集する。また、幹事会、分科会等については、正規開催分を実質的に補足する内容のものである場合にのみ収集する。

  3. 要綱、要領等により設置された委員会、協議会、プロジェクトチーム等

    その合議体の組織的な位置付け(グレード)や規模の大小又は構成メンバー等を問わず、県の主要な施策の実施に係る基本的姿勢、方向等を、公式に又は実質的に決定する内容をもつ公文書等である場合に収集する。

  4. 関東知事会、全国知事会、4首長懇談会、9都県市首脳会議等

    原則としてすべて収集する(運営方法の決定等の軽易な内容のものを除く。)。

  5. その他の会議等

    3と同様に、その合議体の組織的な位置付け(グレード)や規模の大小さらには構成メンバー等を問わず、県の基本的な施策の実施に係る基本的姿勢、方向等を、公式に又は実質的に決定する内容をもつ公文書等である場合に収集する。

  6. 共通事項

    単なる情報提供にとどまる趣旨(開催目的)の会議等であっても、提供される情報の内容によっては、歴史資料としての価値を含み収集の対象となる場合があることに留意する。

8.諮問及び答申に関する公文書等

通常は審議会等の各種諮問機関の活動及び運営に係る公文書等を収集する中で、同時に又は一体的に収集される場合が多いものと思われるが、なお、単独で作成される場合等については、次のものをすべて収集する。

  1. 諮問に係る伺い
  2. 答申に係る伺い

9.調査、統計及び研究に関する公文書等

  1. 統計

    次のものはすべて収集する。

    ア 結果報告書(行政刊行物として刊行されたものを除く。)

    イ 指定統計等結果が報告書としてまとめられ公表される統計以外の統計のうち、臨時的又は独自に実施された統計で重要な内容のものに係る公文書等

  2. 調査及び研究

    次のものはすべて収集する。

    ア 調査研究報告(行政刊行物として刊行されたものを除く。)

    イ 上記報告書に盛り込まれない重要なプロセス、条件等について記載された公文書等

    ウ 報告書そのものは作成されないが、重要な研究の調査内容等に関する公文書等

10.予算、決算及び収支等財政状況に関する公文書等

  1. 予算

    予算編成に関する一連の公文書等は、主務課のものを収集する。特別な理由がない限り、原則として各室課からは収集しない。

  2. 決算

    一般会計・特別会計の決算報告に関する公文書等は、主務課のものを収集する。

    各企業会計の決算報告に関する公文書等は、主務課のものを収集する。

  3. 1及び2の文書等を補完する県の財政状況に関する公文書等として、「県財政のあらまし」(県公報号外)等を収集する。

11.起債、補助金及び貸付金に関する公文書等

  1. 起債(地方債)

    ア 県債

    • 県債については、主務課のものを収集する。
    • 学校及び病院の建設、道路及び河川の整備等の県債を財源とした各事業に係る公文書等については、「21公共施設の建築等のハード事業の実施に閲する公文書等」で収集対象とする。

    イ 市町村の起債については、その事業が顕著な効果をもたらしたり、話題性に富んでいた公文書等を収集する。
    ただし、許認可等において、同事業のものを収集することもあるので、同じものを重複収集しないよう留意する。

  2. 国庫補助金(負担金)

    ア 国庫補助(負担)を受けた県の事業
     主務課において、事業ごと一件書類として整理されていた場合、一括収集するが、国庫補助(負担)の文書のみ別扱いで整理されていた場合、それは収集はしない。事業の内容が見てとれる公文書等を収集する。

    イ 国庫補助(負担)を受けた市町村の事業
     当該事業が顕著な効果をもたらしたり、話題性に富んでいた公文書等は収集する。また、最終的に国庫補助(負担)決定に至らなかったものであっても話題性に富んでいたものは収集する。
     ただし、起債許可、許認可などにおいて同事業のものを収集することもあるので、同じものを重複収集しないよう留意する。

  3. 県単補助金及び貸付金

    県単独の補助金又は国若しくは県から貸付金を受けた市町村若しくは民間施設の事業が、県民生活において、顕著な効果をもたらしたり、話題性に富んでいた公文書等は、収集する。

12.県有財産の取得、管理及び処分に関する公文書等

  1. 県有財産の取得及び処分に関する公文書等は、原則としてすべて収集する。

  2. 県有財産の管理に関する公文書等は、内容の変更が生じた際のもののみ収集の対象とする(評価額の変更のみの場合については対象とはしない。)。

13.許認可、免許、承認等に関する公文書等

  1. 共通事項

    ア 知事許可(認可)に係る公文書等は、原則として本庁所管課保管の公文書等のみを収集する。

    イ 県の機関が、知事又は権限委任された出先機関の長に対して行う許可申請、届出等の関係公文書等は、原則として申請者(届出者)側の公文書等を収集する。

    ウ 許認可に係る「台帳」は、すべて収集する。

  2. 開発行為、行政財産の目的外使用、道路占用、河川占用、公有水面埋立、自然公園内行為、都市公園内行為、風致地区内行為、農地転用、都市計画、砂利採取計画、土地改良区設立、土地区画整理組合設立等の土地利用に係る許認可等

    次のものは、すべて収集する(更新許可で内容に変更のないもの及び仮設物の設置等に係るものを除く。)。

    ア 公園、公立運動場等の公共性の高い面的施設等の設置等に係る許可

    イ 道路、サイクリング道路等の設置許可(小規模のものを除く。)

    ウ 主要な河川に架かる鉄道橋、道路橋等の設置等に係る許可

    エ ウ以外の河川に架かる大橋梁、由緒のある橋梁、住民の足となっている橋梁の設置等に係る許可

    オ 発電用、水道用、農業用等のための水利使用権及び慣行水利権の設定並びにこれらの権利に関連する主要な施設の設置等に係る許可

    カ 文化施設、歴史的施設等の設置等に係る許可

    キ 寺社等の建立等に係る許可

    ク 自然環境の顕著な改変をもたらすおそれのある土地の形状の変更や建築物等の設置等に係る許可

    ケ その他大規模施設の設置に係る許可

    コ 自然環境の顕著な改変をもたらすおそれのある土地の形状の変更や建築物等の設置等を直接の目的とする計画の認可、団体の設立認可、地目の変更許可等

    サ 都市計画

  3. 公益法人、宗教法人、医療法人その他団体の設立等の認可等

    団体の内容や法人格の種類等を問わず、県知事による設立の認可に係るものはすべて収集する(軽易な内容についての変更認可に係るもの等を除く。)。

  4. 産業廃棄物処理業、卸売市場開設、病院開設、と畜場設置、宅建業等の許認可等

    県民生活に少なからず影響を及ぼす可能性のある業及び施設(の開設)に係るものはすべて収集する(軽易な内容についての変更許認可に係るもの等を除く。)。

  5. その他の許認可

    2から4までの許認可等以外の許認可等で県民生活に少なからず影響を及ぼす可能性のある事項に係るものはすべて収集する(軽易な内容についての変更許認可に係るもの等を除く。)。

14.監査、検査等に関する公文書等

  1. 監査

    ア 県機関並びに県機関において出資及び補助金等の援助を行っている団体のすべてについて、監査事務局で実施後、保存していた監査結果報告(説明書、復命書、記録)を収集する、ただし、県の各機関及び上記団体の援助等を主管する各室課のものは収集しない。

    イ 住民の監査請求に対して監査した公文書等は、収集する。

  2. 検査

    ア 法令等に基づく医療機関、事業所、組合等の指導及び検査に関する公文書等は、各主務課のものを収集する。

    イ 国庫補助等に係る会計検査において、事業執行等に問題があったものは、収集する。

15.主要職員及び各種委員の人事に関する公文書等

  1. 特別職、幹部職員(所属長以上)の任免に関する調書等は、収集する。

  2. 各種委員(法令設置職、附属機関等委員)の任免に関する調書等は、収集する。

16.叙位、叙勲、褒章、表彰等に関する公文書等

  1. 叙位・叙勲・褒章

    主務課で取りまとめたもののうち、授けられた者についてのみ収集する。

  2. 各省庁による大臣表彰及び局長表彰

    その表彰理由が、県民生活や県の経済活動などに顕著な功績又は効果をもたらしたと認められるものについて収集する。

  3. 県による表彰

    その表彰理由が、県民生活や県の経済活動などに顕著な功績又は効果をもたらしたと認められるものについて収集する。

  4. 県職員褒賞

    県民生活や県行政に顕著な功績又は効果をもたらしたと認められるものについて収集する。

17.争訟(訴訟、土地収用裁決、審査請求等をいう。)に関する公文書等

軽易な内容のものを除き、県域内で発生した争訟に関する次のような公文書等は、原則としてすべて収集する。

  1. 労使間の調停・斡旋・和解等に係る公文書等

  2. 行政不服審査に係る公文書等

  3. 行政訴訟に係る公文書等

  4. その他の紛争解決方法の実施等に係る公文書等

18.行政代執行に関する公文書等

すべて収集する。

19.陳情、請願、要望等に関する公文書等

  1. 県民や諸団体からの各種陳情、請願、意見等に関する公文書等は、主務課のものを収集する。

  2. 広聴集会、モニター、世論調査、相談、提案等により県民の意識、要望等がわかる公文書等は、主務課のものを収集する。

  3. 県議会の議員団各会派の要望事項及び回答の公文書等は、主務課のものを収集する。

  4. 国の施策・制度・予算に対する県の要望等は、主務課のものを収集する。

20.県の総合計画に関する公文書等

次のものは原則としてすべて収集する。

  1. 総合計画策定又は改定に係る最終的な決裁文書、計画書等(行政刊行物として刊行されたものを除く。)

  2. 県民討論会等における県民からの計画案に対する意見等を記録した公文書等(特に批判や代替案の提小等に及ぶものは例外なくすべて収集する。)

  3. 各部局等への計画案に対する照会及び回答に関する公文書等

  4. 計画策定所管室課内における成案とりまとめまでのプロセスを明らかにする公文書等

  5. ヒアリングの際等に示された策定の方向等に向けての基本的見解

21.公共施設の建築等のハード事業の実施に関する公文書等

次のものは原則として収集する。ただし、事業実施効果について事後に検討評価した内容の公文書等は、必ず収集する。

  1. 基本構想(調査設計)又はそれに相当する内容の公文書等

  2. 基本計画又はそれに相当する内容の公文書等

  3. 実施計画又はそれに相当する内容の公文書等

  4. 1から3までの計画等の策定経過を明らかにする公文書等

  5. 事業の実施に関連する各種調査(地質、電波障害、日照等の調査)の結果に関する公文書等

  6. 事業の実施に当たり必要となった各種許認可手続関係公文書等

  7. 事業の実施に係る住民説明会等の記録(特に反対の意向が一部においてであっても示された事業に係るものについては必ず収集する。)

22.各種施策、行政運営上のシステム等のソフト事業の実施に関する公文書等

次のものは原則として収集する。ただし、事業実施効果について事後に検討評価した内容の公文書等は、必ず収集する。

  1. 基本構想又はそれに相当する内容の公文書等

  2. 基本計画又はそれに相当する内容の公文書等

  3. 実施計画又はそれに相当する内容の公文書等

  4. 1から3までの計画等の策定経過を明らかにする公文書等

  5. 事業の実施に当たり必要となった各種許認可手続関係公文書等

  6. 実施報告書

23.県内の史跡、文化財等に関する公文書等

    1. 国及び県指定の文化財(有形・無形・民俗)に関するもの(指定物件の内容説明や写真等)は、収集する。

    2. 国及び県指定の史跡、名勝、天然記念物に関するもの(現状変更申請等)は、収集する。

    3. 埋蔵文化財に関するもの(発掘届、遺跡台帳、地図等)は、収集する。

    4. 指定文化財の管理、遺跡の発掘調査等に対する国庫補助に関するもの(土地買い上げ等)は、収集する。

    5. 文化財保存修理等に係る県費補助に関するものは、収集する。

24.外国及び外国人に関する公文書等

  1. 国際協調への貢献等を目的として行われた県や県民の進めた民際外交及び交流にかかわる公文書等は、収集する。特に、その全容やイベント等がわかるよう留意し、次のものを収集する。

    ア 友好県州省関係

    イ 芸術、文化、スポーツ、経済等の交流や派遣

    ウ 国際交流団体の活動とその支援

    エ その他

  2. 外国籍県民と共に進めた地域社会づくりで、県又は県民生活にとって顕著な効果をもたらしたものは、収集する。

  3. 県と県民とが協力し、連携し、世界平和への貢献を目指したものは、収集する。

  4. その他国際化に対応した部局レベルの県事業は、収集する。

25.儀式、行事その他事件に関する公文書等

県内で起きた及び県にかかわりのあった大きな出来事についての記録を収集する。

26.県の公文書管理に関する公文書等

主務課等のものを収集する(定例的な通知等の軽易な内容のものを除く。)。

27.その他1から26までに属さない公文書等

その他公文書館長が歴史的価値があると認めた公文書等は、収集する。

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神奈川県立公文書館 資料課
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FAX:045-364-4459